「永遠のぼくら」がつまらなかった3つの理由
6月24日に放送された「永遠のぼくら」。
朝ドラに出演した(している)若手役者をこれでもかと揃えたのですが、
結果は視聴率8.0%。惨敗ですね。
いつも通り、脚本の観点から、
このドラマがなぜ、こんなにも詰まらなかったのかを考えてみたいと思います。
まず、
つまらなかった1つ目の理由として、
「感情を露わにするシーンのほとんどが、一人語りか長ゼリフか演説」
このドラマは青春群像劇です。
群像劇の面白いところは、多数のキャラクターがいっぺんに出てきて、
多様な価値観で、ぶつかり合うのがいいはずなのですが、
このドラマでは、人気役者たちのスケジュールが取れなかったのか、
1対1のシーンが多いです。
さらに1対1のシーンで行動ではなくて、言動で気持ちを説明してしまいます。
なので、多くの視聴者が冗長に感じてしまい、飽きてしまったのではないかと思います。
スケジュールが取れないのであれば、違う描き方があったのではないでしょうか?
「大人の事情」を逆手にとって面白くするのが脚本家のお仕事のひとつでもありますからね。
つまらなかった2つ目の理由として、
「ストロークが短すぎる」
有村架純が、面接をほっぽり出して窪田正孝に会いに行くシーンも、突然だし、
窪田正孝が冒頭でキレキャラなのに、次のシーンでは優しくなっていて、またラスト際でキレキャラになり、キャラを捉えきれないし、
成海璃子の家庭問題と自殺もいきなり感が凄いです。
何か、大きな出来事を起こす際のストロークが足りなく、ひとつも共感できません。
これでは、多くの人が「このドラマは、ダイジェスト?」と思ってしまうでしょう。
情報を冒頭から少しずつ開示していく丁寧な構成が必要だったと思います。
そして、
最後のつまらなかった理由として、
「キュンキュンが足りない」
このドラマ、実は脚本家が誰なのか知らないで見ていました。
エンドロールで知るまで、「絶対、男が書いている! 女子の気持ち分かってない!」って思っていました。
でも、エンドロールを見てびっくり!
脚本家はあの渡辺千穂さんではないですか!?
窪田正孝と有村架純が島に取り残され、毛布を分かち合うシーンもキュンキュンしないし、同じ二人が告白しあうところも「君は眩しい」とか言っちゃうし、これでは、むしろ男性脚本家の方が、キュンキュンさせれたのではないでしょうかね……。
このドラマの脚本家は、渡辺千穂さんです。
そうです。「戦う書店ガール」で平均視聴率4.7%、9話で打ち切りなった方です。
日本のドラマ界はとても優しく、敗者復活が簡単に与えらえれます。
低視聴率ドラマを連発していても書かせてもらえます。
3回連続で10%超えなかった脚本家は、いったん若手に席を譲るっていうシステムできませんかね?(一応、3回連続で10%超えなくても、DVDが売れればOKという例外つけておきましょう)
だって、視聴者とスポンサーの思いは一緒ですよね。
面白いドラマ作れば、みんな見るから、スポンサーも視聴者もハッピー!
今のドラマ界は、低視聴率でも使われる、低視聴率ドラマ脚本家ハッピー時代です……。
また偉そうなこと言いました。
「そんなこと言うなら、お前、やってみろよ!」
そう言いたい方もおられるでしょう。
「はい。是非やらせていただきます!」
という所存ですので、どうぞ宜しくお願いします。