じゃあ、お前書いてみろよ!

TVドラマを愛してやまない(株)ギミック・シナリオ部・大畑のTVドラマをもっと良くするブログ

「ドS刑事」にドSな感じで2つのダメ出しをする

今クールで最もヤバいと思っていた「ドS刑事」が始まりました。

 

はい。案の定ヤバかったですね……どうして日テレ土9の枠でやったのでしょうか?

 

という訳で、「ドS刑事」に習いドSに2つのダメ出しをしようと思います。

 

ダメ出しその1

何を持ってドSなの? ただの性格悪いネーチャンじゃねえか! バッカじゃないの?

多部未華子演じる黒井マヤのキャラがよく分かりません。

ドSって何でしょうかね? ただ性格の悪いブラック企業体質な人間をそう言うのですかね?

ドSって言うくらいなのだからもっとSやMに関して必要最低限のレベルでいいので考えて、少なくともこのドラマの中で定義付けないと高校生以上の視聴者は納得いかないのではないでしょうか?

→【改善策】第2話でもいいので、まず”定義付け”の作業をしましょう。

 

ダメ出しその2

1時間は長すぎます。ダラダラ尺伸ばし感がハンパない! バッカじゃないの?

原作も1話は短いし、事件も凄くライトなので1時間は持ちません。

持たせるには、より人間ドラマを濃厚にして犯人の殺害動機を盛り、ミスディレクションを増やすしかありません。

しかし、このドラマはあくまでコメディです。そんなことをすればテンポが落ちてしまいます。

本来は深夜ドラマでやるべきコンテンツなのに土9にしてしまったのですから、1時間の枠を埋めるしかありません。

でも、「サザエさん」でも「アンパンマン」でも「ちびまる子ちゃん」でも30分で複数話やりますよね。それに習い、1時間の枠で2話やるのはどうでしょう?

→【改善策】1時間の中で2話やる。

 

もし私がプロデューサならば、このドラマは、以下のように作りましたね。

【枠】30分の深夜枠

【主演】吉田羊(黒井マヤ役)

【内容】

  • 普段は警視庁の交通部の警官。ちょくちょく殺人事件に遭遇するが、実は殺人事件が大好きで警視庁にいる特権を活かして現場に行っている(ここら辺は原作に寄せる。ドラマは変えられているが原作は殺人現場マニア)。原作同様に千里眼の能力があり、代官山脩介が黒井マヤの推理を推理して事件を解決する。
  • 普段、交通部にいる時や昼間は一見Mだが、事件現場や夜にはドSに変貌する(「トクボウ 朝倉草平」や「特命係長 只野仁」の女版という感じ)。
  • 黒井マヤ自身もSM愛好家なので、アングラやオタクや特殊性癖などをある程度できる範囲できちんと描く(何となく「ジョージポッドマンの平成史」みたいにちょっと学べる感じにする)。

 

また偉そうなことを言いました。

「お前、そんな偉そうなことばかり言いやがって! そんなに言うなら、

お前書いてみろよ! ふざけんな!」とお叱りが飛んでくると思います。

その時には、

「はい! 願ってもありません! 是非やらせて頂きます!」

という所存でございますので、宜しくお願い致します。

「心がポキッとね」で継続視聴心をポキッと折られないための3つの修正点

(株)ギミック・シナリオ部の大畑です。

春クールドラマが今週からどんどん始まりましたね。

4月8日に始まった阿部サダヲ主演「心がポキッとね」の初回視聴率が10.4%とのことで、2シーズンも続き、共に平均視聴率12%獲った「最後から二番目の恋」のスタッフが制作し、山口智子を持ってきた割には、残念なスタートでしたね。

 

でも、このドラマのストーリーは面白かったです。

私は、次回も観るよ!って素直に思えるドラマでした。

しかしながら、3つほど修正しなくてはいけなく感じました。

 

修正点その1

山口智子の演技に心がポキッと折れた!

山口智子の演技手法が、かなりマズイです。

ネットの意見でも多くの方が、山口智子の話し方が気に食わなかったと書いています。

おそらく山口智子は、あの独特な話し方で今回のキャラクターを演じようと考えたはずです。

しかしながら、その演技プランが独りよがりすぎて他の役者とコミュニケーションが取れていません。

ただ、自分がやりやすく、自分が考えてきたプランをやっているだけです。

相手役や演出に合わせた方がいいと思います。ぎこちな過ぎます。

山口智子はトレンディドラマ最後のスターと言っても良いでしょう。

ですが、当時に通用していた演技手法を持ってきてもらっても困ります。

時代は変わるのです。あなたの演技プランによって、コメディに必要な”間”が全て死んでいます。

山口智子をキャスティングしたプロデューサーと演出しているディレクターには、山口智子がアジャストできるように指導してもらいたいと思います。

 

修正点その2

シットコムに寄せよう!

私は、このドラマの設定やキャラやストーリーは悪いと思いません。むしろ面白いと思います。

しかし、表現方法がマズイと思います。

このドラマをアメリカやイギリスは、シットコム(シチュエーションコメディ)で描くでしょう。

「フレンズ」や「となりのサインフェルド」みたいな感じです。

このドラマの設定は、ありえない感じで、ありえないよう展開です。

でも、それはいいんです。ドラマですから。

しかしながら、視聴者はある世界の中でのリアリティが欲しい。

きちんと描こうとするドラマではこの設定はキビシイ。

でも、「シットコム」の世界ではかなり良い設定と思います。

同じフジテレビの「最高の離婚」もシットコムに寄せていました。

そうすることで、きっとこのドラマはより笑えると思います。

 

修正点その3

テンポアップしよう!

修正点1と2のまとめのようなことですが、とにかく演者のセリフ回しが遅い。

コメディ色もまだ出しきれていないから、演技も重いです。

私は、このドラマを少し1.5倍速で観てみました。

すると、面白さも1.5倍になりました。

初回だから手探り感もありますでしょうが、日本のドラマは今や全10話です。

1話も無駄にできません。

 

また偉そうなことを言いました。

「お前、そんな偉そうなことばかり言いやがって! そんなに言うなら、

お前書いてみろよ! ふざけんな!」とお叱りが飛んでくると思います。

その時には、

「はい! 願ってもありません! 是非やらせて頂きます!」

という所存でございますので、宜しくお願い致します。

連続テレビ小説「まれ」第1週 こう直せ!

このブログは、テレビドラマを愛する(株)ギミック大畑が、愛を込めてドラマを褒め、ドラマを直すドラマ界へのラブレターです。

 

さて、絶賛『マッサンロス』中の大畑ですが、それを払拭してくれると『まれ』を楽しみにしていたのですが、第1週を観た結果、

「なんじゃぁ、こりゃあ!『ちりとてちん』と『あまちゃん』観て研究せいやぁ!」

という感じです。

 

もともと、『まれ』はとても不安でした。

朝ドラは、脚本家がとても大事です。

篠崎絵里子さんは原作ものが得意な脚本家。

NHK『紙の月』(原田知世の方ね、映画の宮沢りえじゃない方ね)、これはとても面白かったです!

WOWOW『マグマ』、『震える牛』、『血の轍』は、WOWOW御用達の前川洋一さんの『空飛ぶタイヤ』や『下町ロケット』には劣るものの、良作。

でも、同じWOWOW『LINK』は酷かったっす。劣化版『TOUCH』(米ドラマ)みたいで……で、『LINK』はオリジナルでしたよね……。

と言うことで、篠崎絵里子さんはオリジナルに不安がありました。

 

でも、原作ものばかりであった森下佳子さんの時の『ごちそうさん』みたいに、オリジナルも素晴らしい!ってのを期待していました……。

 

しかし、1週はダメでしたね(涙)

 

理由!

その1:キャラクターが決心したり、行動したりするためのストロークが足りない!

その2:キャラクターが一貫していない多重人格!

その3:寒いギャグ

その4:1週間を理解していない!

その5:捨てる勇気が足りない!

 

その1:キャラクターが決心したり、行動したりするためのストロークが足りない!

キャラクターの行動原理がまるで理解できませんでした……。

まれがケーキを作るシーン。文(田中裕子)がちょっといいこと言っただけで封印していたケーキ作りを始めるにはストロークが弱すぎます。

徹(大泉洋)が塩田手伝ったり、祭りを開催しようと躍起になるストロークも、足りなさすぎて、全然、心にぐっと来ません。

 

その2:キャラクターが一貫していない多重人格!

徹は、いいやつなのかダメなやつなのか?

まれも徹にキレるのがいきなり過ぎるし、家出もいきなり過ぎます。基本的にまれはとても頭が良いキャラ(人の気持ちが分かる)なのに、ちょいちょい短絡的になります。

ドラマのキャラは”二面性”は必要ですが”多重人格”は必要ではありません!

 

その3:寒いギャグ

あまちゃん』をなぞっているのですか!?

私はこう思います!!!

構成作家出身の脚本家は、ドラマでギャグをやってOKです!

君塚良一さん、三谷幸喜さん、宮藤官九郎さんなんかがそうです。

そうじゃない脚本家は、構造で笑わせなきゃいけません!

ごちそうさん森下佳子さんや『ちりとてちん藤本有紀さんや、『カーネーション渡辺あやさんが上手ですよね。

 

その4:1週間を理解していない!

朝ドラの多くは、1週間で一つの作品としてみます。

1週間で一つのテーマを描きます。

なので、1週間の中で起承転結や三幕を考え、構成します。

もちろん『まれ』第1週でもそれが見て取れますが、とにかく弱い!

世の朝ドラファンは、金曜日や土曜日は感動して泣きたいんです!!!

 

その5:捨てる勇気が足りない!

あのキャラクター紹介のパートはなんでしょうか?

あんなものがなくてもいいんです! じきに理解しますから!

それに、あんなキャラクター紹介をしないとお話が分からないないなら、描き方がダメなんです!

さらに言うと、ナレーションが多すぎる!

そんな入れなくても分かりますから!!!

 

あー、言いすぎた……。

で、このブログは(株)ギミックのシナリオ部部長の大畑が、シナリオの仕事もっとくれーって趣旨が裏側でありますので、文句ばっかり言っていてはけません。

ピシッといいところ見せなきゃいけませんので、このブログの売りとも言える、「私ならこう直す!ってのをやります。

 

第1週のあらすじは、

まれ一家が輪島市へ引っ越してくる。

引っ越してくる理由は、自己破産したので田舎でもう一度やり直すため。

住むところがなかなか見つからないまれ一家は、昔に民宿をやっていた元治と文のところを仮住まいにする。

方言など地域性の違いで友人たちに馴染めないまれ。

相変わらずダメな親父。

まれと親父は幾度となく対立。まれは、家出。

しかし、まれは地域のみんなの前で心の内を吐露。

これが効いて、地域の人々に受け入れられて、輪島市に住むことを認められるってストーリー。

 

しかし、親父との対立&受け入れられるという部分がこの週のハイライトなのに上手く行っていませんでした。

まれが父親のために、生まれて初めて自分の力だけで、ケーキを作り、帰りを待っているシーンがあります。そこからの流れを変えるだけで随分いい感じになると思うので、ちょっとやってみましょう。

 

ケーキを作って待っているまれ(放送のまま)

やっと父親が帰ってくる(放送のまま)

酔っ払いの父親、せっかくまれが作ったケーキを壊してしまう(放送のまま)

謝る父。もう一緒に住めないと家出するまれ(放送のまま)←ここから変えます!!!

 

【大畑プラン】

○まれの家

父は謝らない!

父「確かに、ケーキ壊しちゃったのは悪かったが、大人の世界はいろいろあるんだよ! お前のために祭りをやってやろうとお父さん頑張っていたんだよ! お父さんのこと理解しないお前なんて出て行け!」

悲しくて家出するまれ。

でも、言い過ぎたと後悔する徹……。

○役場

祭りが行われるかどうかの投票日。

開票が行われている。

○バス停

東京へ向かうバスに乗ろうかどうか迷っているまれ。

まれは、小さい頃の父と楽しかったことを思い出したり、母や弟のことを思い出す。

バスが来る……まれは乗るのか? 乗らないのか?

○役場

開票が終わると祭り開催に賛成と反対がちょうど50:50。

「結果は引き分け……どうしよう」という大人たち。

そこへまれ登場!

まれ「私も1票あります!」

まれの友達「帰れ! よそもん!」

まれ「ほうや、どうせよそもんやわいね! でも悪いがかいね!」まれは、この土地を好きになったこと家族とここでやりなおしたいことを吐露。

みんなの気持ちが突き動かされる。

まれの1票とまれの熱意で祭りが開催されることが決まる。

○帰り道

まれの父と母が話している。

母「まれのあの1票は徹さんに入れた1票よ」

父「え……」

母「人生はたった1票で変わる。だからそれを大事にするのを忘れちゃダメね」

 

という感じです。

 

父は頑固で独自の偏った理論を持っててやっかいというのを強調しておかないと、まれや母のキャラが死にます。

それに、祭りが開催されるかどうかがハイライトなのに全然立っていなかったのでこう変えました。

あと、いい感じセリフも足りなく感じたので入れてみました。

 

という感じで、このブログ第1回目おしまいです。

このブログのコンセプトはまだ何者でもない私が、偉そうなことを言って、世の中の人たちに「そんな偉そうなこと言うなら、お前が書いてみろよ!」とお叱りを受けて、実際にドラマを書かせてもらうというものなのです(^^)

 

第1回目ということで気合を入れて長くなってしまいました。

最後まで読んで頂いて有難う御座います!

 

以後、お見知り置きを。